About


~ごとうにんシアターとは~

ごとうにんシアターは、「世界中のご当人を大切にする」というモットーのもと、代表の棚田浩章が2023年から始動した演劇プロジェクトです。「シアター」と銘打ってはいますが、舞台作品を制作してそれを公演というかたちで発表することを主眼としているというよりは、ごとうにんシアターという「場を開く」ことそのものを目的としています。以下、現時点での構想、着想するに至る経緯、今後の展開の3点についてシェアさせていただきます。


■現時点での構想
ごとうにんシアターは「ご当人が、ご当人のエピソードを『場』に開示して、1人以上の人間がそれを大切に受け止める」取り組みです。1日のワークショップの中で完結する即興劇から、「ご当人」と一緒に長い時間をかけてひとつの戯曲を編んでいき、舞台作品に落とし込んでいくところまでを視野に入れています。
それは「すごろく」的に、入り口にワークショップ、ゴールに舞台公演があるということではありません。あくまで「ご当人」が、いったん開示した自身の物語をどこまでシェアしたいのか、どのような形式で落着させたいのかを意思決定していく。ごとうにんシアターという「場」自体は、その都度受け身的に変容していく(ファシリテーターが、ヒアリングしながら方向を調整していく)というプロセスを辿ることになります。

■「ごとうにんシアター」を着想するに至る経緯
以前わたしは劇団を運営していたのですが(脚本・演出を担当)、稽古前後の俳優たちとの車座の対話に、戯曲を覚えて演じることとはまた別の可能性を感じていました。また、構想を練るなかで、「ご当人がご当人のストーリーを語るためには、まず、心理的に安全な、対話の場が開かれることが大切なのではないか」との思いも抱くこととなりました。性急になにか「成果物」をつくろうとするのではなく、まず対話の場が開かれるプロセスそのものに内在する魅力を探ることを目指し始めました。
わたし自身は心理、医療、福祉、教育など、いわゆる支援職の従事者ではありません。むしろ、そのような専門家の方々と協働しながら、ごとうにんシアターの領域を模索している段階です。オープンダイアローグ、プレイバックシアターなど、「近しさ」を感じるアプローチを学んだりしているところです。
ご相談させていただいてる方の一人のからは「あなたはアートとしてやればいい。アートから、自発的に、持続的に癒される人もいる」というお言葉をいただき、自分の芯に一歩近づく気づきを得ることが出来ました。対話自体を「アート」として捉えて参加者と関わっていく。その上で、今を生きるひとりひとりがエンパワーメントとして本プロジェクトを活用してくれたらと願っています。

■History of ごとうにんシアタ
『対話の入り口』(第1回)

2023年8月 12 日には、本屋「ほんの入り口」にて、店主服部健太郎さん、奈良県立大学講師(アートマネジメント、文化政策)風間
勇助さん、棚田の3人ファシリテーター体制で『対話の入り口』(第1回)を実施しました。

『「わかりあえない」を聴くところからはじめる』

同年 11 月 12 日には、神奈川県川崎市にて、臨床心理学者マーシャル・ローゼンバーグが体系化したコミュニケーション手法 NVC
(Nonviolent Communication 非暴コミュニケーション)の講座を定期的に開催されている NVC Singapore のさだかね志保さんと棚田で
『「わかりあえない」を聴くところからはじめる』というイベントを開催しました。

『対話の入り口』第2回『「呪い」に気づく』

2024年、対話の入り口第二回『「呪い」に気づく』で、ふたたび奈良にて、ほんの入り口で服部健太郎さん、風間勇助さんと場を開く
ことができました。

ごとうにんシアターポッドキャスト

また、『対話の入り口』第2回『「呪い」に気づく』のプレトークとして 1月1日にごとうにんシアターポッドキャスト(ネットラジオ)をはじめました。以降、毎回、素敵なゲストをお招きして、棚田と対話する形式の放送を行なっています。
レギュラー番組は現在、以下の3本があります:服部健太郎さんと、この SNS 時代に手紙(ハガキ)をしたためることの面白さを語る「筆
マメラジオ」、成島郁夫さんと一緒に日常の気になるテーマを緩やかに「哲学」ととらえてお椀にのせる「哲学のお椀(哲椀)」、さだかね志
保さんと NVC の豊かさについて語り合う「NVC 通信」。今後も番組を充実させていけたらと思っておりますので、よかったら一度お聞き
になってみてください。

■今後の展開
心理、医療、福祉、教育など、いわゆる支援職に従事する専門家の方々と協働しながら、ごとうにんシアターという「場」で領域横断的なアプローチが可能かどうかを模索しています。今を生きるひとりひとりがエンパワーメントとしてごとうにんシアターを活用していってくれたらと願っています。
今後も、対話自体を「アート」として捉えながら、多様な形態での活動を模索して行きたいと思います。

PAGE TOP