「呪いについて考える入り口の本」


2024年1月7日実施のイベント「対話の入り口第2回 「『呪い』に気づく」に関連する作品7冊について、「ほんの入り口」店主、服部健太郎がご紹介。

「呪いについて考える入り口の本」

①東畑開人『野の医者は笑う 心の治療とは何か?』(文春文庫)

心理学者でカウンセラーの著者が、沖縄の「スピリチュアルな野の医者」を取材しながら自ら治療を受けて、臨床心理学を相対化しようとした試み。「科学」も一種の呪いと言えそうです。


②東畑開人『聞く技術、聞いてもらう技術』(ちくま新書)
小手先の技術という「ほんの入り口」すら親切に解説してくれている「頼れる入り口本」です。誰かと話すことは、「呪い」に気づく第一歩。


③手塚治虫『のろわれた手術 手塚治虫恐怖アンソロジー 』(角川ホラー文庫)
自分のちからではいかんともしがたい、というのが「呪い」の印象。呪われている様子を漫画で読むことで、より身体的に客観視できるかもしれませんな。当店でも何冊も売れている人気の一冊です。


④上西充子『呪いの言葉の解きかた』(晶文社)
映画やテレビドラマ、コミック作品なども例にとって、わかりやすく「呪いの言葉」が日常生活を苦しくさせている様子を解説し、「解きかた」まで踏み込んでいる。もちろんまずは、気づくところから。


⑤竹端寛『ケアしケアされ、生きていく』(ちくまプリマー新書)
「昭和」という時代もひとつの強力な呪いとして、日本の社会を縛っている気がします。互いにケアし合う関係を結べない、という呪いからは、早々に脱却したい。


⑥伊藤絵美『セルフケアの道具箱』(晶文社)
呪いだか何か分からないけど苦しい、という方は、まずその「苦しみ」をセルフケアしましょう、という。店主も、書店員時代末期のしんどい時期をこの本に助けてもらいました。あれも呪いだったのかしら。


⑦伊藤絵美『カウンセラーはこんなセルフケアをやってきた』(晶文社)
上記、『セルフケアの道具箱』で、あれこれセルフケアのサポートをしてくれた伊藤先生は、「そんなことまで自己開示しちゃうの!?」と驚くほどの凄まじい「呪いの歴史」をお持ちでした。伊藤先生が採用している方法も、冒頭の『野の医者は笑う』では、相対化されちゃうんですけどね。


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